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希望を叶える東京 賃貸

私は、宗派にこだわらず、やがて移り住むことになる土地に対して、素直に敬意を表そうと考えた。

土地の地霊とかいうと、なにかおどろおどろしい感じになってしまうのだが、前からそこにあったエネルギーのようなものに対して礼を失しなければいいのだと思う。 「すいません。
お騒がせしますけど、この土地に新しい建物を建てさせてくださいね」という、日本人らしいお願いだ。 どういった敷地に建物を建てる場合でも、リビングや和室や子ども室への日当たりを重視してレイアウトを考えれば、トイレや風呂という水まわりは北側になってしまいがちだ。
だから、トイレのような不浄のものは北側の鬼門に配するなといわれても、正直いって困ってしまう。 もともと家相で忌み嫌われる北の「鬼門」とは、中国古来の伝承から来ていることはご承知のとおり。
中国という国は歴史上いつも、東北方面からの異民族の侵入に悩まされた。 あの万ばんぞくきょうど里の長城を築いたのは、蛮族の侵入を防ぐためだ。
古くは旬奴が有名で、日本も一時期、中国にとって自分たちの平和を乱す鬼の一翼を担っていた。 また、トイレ(厩)が家の外にあり、汚物をためておいて作物の肥料にしていた。
だから、日当たりが悪くじめじめした北側に同を作ったりすると、北風が吹く季節には臭気が家中に広がったであろうことも想像がつく。 しかし、水洗トイレや下水道が普及した現代においては、この陽遍はとうする?「上棟式」は、基礎工事が終わって土台が完成し、軸組が屋根まで組み上げられた日に行なう。
我が家では1時間ほどささやかな宴を開いた。 私の家族の他に、棟梁、大工さん、鳶職の方とクレーンオペレーター、S社長と現場監督のIさん、TさんとTさんなど全部で15人。
まず棟梁と施主が「四方蕨い」を行なう。 四隅の柱と土台に棟梁がお酒をかけ、施主が半紙に載せたお米と塩を混ぜて巻き、お清めをしてから軽く一礼。
大黒柱にもお酒とお米と塩をかけ、工事の安全を祈願する。 それから「上棟式」。
施主、施工者の挨拶、設計事務所による乾杯の発声、歓談という段取り。 終盤に、施主が現場監督をともない、一人ひとりに挨拶しながらご祝儀を渡す。
最後は棟梁の「十締め」で座を開く。 お清めの米と塩、それらを載せる半紙、酒(御神酒)歓談用の酒とおつまみ紙3、紙コップ、紙ナプキン、お箸、ゴミ袋ご祝儀帰り際にお渡しする引き出物。

その他、施工会社がお祝いの「棟飾り」を用意し、大工が小屋組の高いところに取り付ける。 ‘慣れないことなので、何をどのくらい用意したらいいか見当がつきづらいが、我が家は仕出し屋でパックしてもらった寿司15人前と乾きものを用意した。
S社長から「「芋の煮っころがし」「焼き鳥」「寿司」など(多すぎてももったいない)」というメモをもらっていたが、温かいものは冷めるとまずいだろうと考えてのこと。 しかし30分ほどの歓談だったから、寿司はlパック分残った。
酒は、日本酒(御神酒分も含めて)1升ピン3本とビール3リットル2本、それにウーロン茶2リットル3本を酒屋から現場に配達してもらったが、これも大工さんたちは通常車で来るため、お酒を飲める人が限られ、大量に余った。 家づくりの本には、ご祝儀を「棟梁に10万円、鳶頭に5万円、設計士に5万円、職人15人に2万円ずつで計50万円払った」などと書いているものがある。
これでは恐れをなして「上棟式」を省くのも無理はない。 我が家では施工会社と相談し、棟梁、鳶頭、現場監督に1万円、他のスタッフは一律5000円にさせていただき、引き出物も2000円程度のものにした。
それでも、つまみやお酒を含めて総額は15〜16万円かかるが、こういうものは、感謝する気持ちの問題。 予算がなければないなりに、気持ちを込めてやったらいい。
それでも、地球上に暮らすかぎり、私たちが磁場の影響を受けているのは事実だ。 磁石を動かすほどの見えない力が、北から南に向かって流れているのなら、私たちの生活になんらかの影響を及ぼすエネルギーが北方から来ていると考えることもできる。
だから、そのエネルギーの風上にあまり失礼なものを排池すべきでないというのは、個人的にはうなずける。 しかし、実際の磁北と真北は微妙にズレているのだし、方位の基となる家の中心だって、敷地の中心なのか間取り上の中心なのか、あやふやだから、どこにトイレを配そうと「うちのは鬼門からはずれている」と釈明することもできる。
やはり、自然なエネルギーの流れを敬う気持ちがあればいいのだろう。 一方、風水の教えに関しては、中国の軍師の戦略論から来ているだけに、やはり参考になることもある。

現代の住居に活かせるポイントは、私が学んだかぎり、次の2つに収敵する。 ひとつは「背後を安定させよ」ということ。
たとえばリビングのソファの後ろが窓になっていて、通行人がしょっちゅう通るような配置にしたら、家人はくつろげるわけがない。 背後の安定は、そこに暮らす人間の安心感を保証する。
ただ−し、そういったことを考えすぎて眉間にシワ寄せて胃を痛めるより、自分がなんとなく気に入ったもの、波長の合いそうなものと一緒に暮らすという自分流風水のほうがストレスも減るし、すがすがしく暮らせそうだ。 ここは、自分に合った法則を、住まいながら発見していけばいいと考えよう。
三大北壁登頂という輝かしい実績のアルピニスト、Hさんの言葉がいま改めて思い出される。 山を征服するのはどんな気分ですか?と素朴に問いかけた私に、彼はこう語った。
「とんでもない。 何十万年、何百万年と生きている大先輩の山々に対して、征服しようなんてカヶラも思ったことはありません。

ただひたすら、お願いですから登らせてくださいと、祈りながもうひとつは、「入口と出口を直線的に配置しないこと」だ。 たとえば、玄関と廊下の反対側の窓とが一直線上にあるというように、一方から入ってきたエネルギーが直線的に逃げてしまうような配置のときは、置物や植裁などを使って途中で遮蔽して、エネルギーの流れを渦巻くようにしてやるのがよいと説かれている。
たしかに東西もしくは南北に素通しの開口部の配置は、家人にとって落ち着かないだろうし、泥棒にとってもスキだらけという印象はある。 2000年2月、美浜原発(福井県美浜町)の建設工事で、生コンクリートを型枠に流し込む際、余分な水を大量に加える手抜き工事が日常化していたことが明るみにでた。
加水(水を必要以上に加えること)は、コンクリートの早期劣化を引き起こすのだが、作業効率を上げるために続けられていた。 朝日新聞の報道によれば、強度をはかる破壊試験では、生コン会社の技術者らが、加水されていない生コンを対象に選ぶなどの不正を繰り返していたという。
通常、私たちのような素人は、建築物を外から見てカッコいいとか悪いとか、中のインテリアの仕上がりで、センスがいいとか悪いとかの判断を下す。 ところが、一番大事で、しかも手抜きされると怖いのは、このような見えないところの工事なのだ。
なかでも、家の土台となる「基礎工事」に使われるセメントや鉄筋については、あとからチェックすることは難しく、ほとんどハウスメーカーや工務店任せになっているのではないだろうか。 通常は10%のものが使われる。

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